フォロワーに葬式に来てもらうことは難しい
自分もツイッター歴9年、陰のオタクなら「自分のよくわからん親族よりフォロワーに葬式に来て欲しい」
そういう感情はよく分かります。ですが、それは中々条件が揃わないと難しいと思いました。
たまたまうまく行った今回の実例とともに、「フォロワーに葬式に来てもらうこと」の何が難しいか、条件は何かを書いていこうと思います。
1.今回の事例
2.「フォロワーに死を知らせること」
3.「フォロワーに葬式に来てもらうこと」
4.まとめ
1.今回の事例
先日、事故により弟が急逝。ショックに頭が働かない中、母が「もしもの時はツイッターで何か言ってってどこかで書いてた気がする」と発言。もともと弟と仲が良く、ネット上での友達も多いことを知ってた私は彼のノートやスケッチブックを漁って遺書のようなものを見つけました。弟の最後の望みを叶えるべく、行動に移りました。
2.「フォロワーに死を知らせること」
正直、「葬式は難しいにしてもせめて顛末だけでも知らせたい…」という方も多いと思います。そのために必要なものを挙げさせていただきます。
①携帯の暗証番号(orツイッターの暗証番号)
正直これがないと始まりません。なにせ、ツイッターで弟のアカウントをフォローしてたとはいえ彼のFF全員にDMやリプを送るわけにもいかないし、彼のアカウントが一つとも限りません。(実際弟のアカウントは複数ありました)
今回の場合は携帯の暗証番号が記されており、その経由で彼の死を知らせることができました。
カッコ付けでツイッターの暗証番号と書きましたが、できれば携帯の暗証番号の方がいいと思われます。
というのは、昨今やってるSNSが一つではないからです。ツイッター、LINE、Skype、Discord、インスタ、Facebook……大概のものは携帯のアプリ経由からならログインしてある状態になっていると思うのでツイッターのみの暗証番号よりは携帯の暗証番号の方がいいように思えます。
今回の事例ですとキリがなく、何をメインに使っているかが分からなかったためツイッターとLINEのタイムラインのみに知らせることにしました。
②SNS慣れしている親族
今回は実兄である私がツイ廃でありツイッターの機能、機微などに敏かったためにうまくことを運ぶことができましたが、おそらく父と母だけだったら伝えることはできなかっただろうなと感じます。
「親族でオタクなの俺だけだから、仲のいい友人に託すわ!」って方もいらっしゃるかもしれませんが、その仲のいい友人にどうやって親族から死んだ事実が伝わるかが明確でない限りオススメしません。
また、「死を伝える」という項目では問われませんが、後述する「葬式に来てもらう」という要求に応えるとなると親族であることは間違いなく必須であるように感じます。というのも、今回私は忌引きでつきっきりで対応できましたが仲のいい友人となるとそのために休暇を何日も取るのは社会人として難しいと思われるからです。それに喪主や親族との連携が不可欠であり、仲のいい友人というだけでそこまで関わらせてくれるか甚だ疑問に思うところがあります。
3.「フォロワーに葬式に来てもらうこと」
この段階を目指すとなると、更なる厳しい条件が増えて来ます。
①喪主(親、配偶者等)の理解
葬式に来てもらうとなると、当然喪主の理解は必須になります。
今回の事例では幸いにも家が宗教にこだわっていなく、弟の性格上儀式的なものは好まないだろうということで一般的な葬儀は行わず、3日間個室を借りてお別れの挨拶をできるようにするという形を取ったため実現が可能になりました。
しかし、お別れの形が多様化してきてるとはいえまだまだいわゆる通夜、葬式の形を取りたがる方は多いと思います。そうなってくると礼服や香典の存在、さらに親族と関わる必要などあってフォロワーが参加するというのは難しいように感じます。
②立地
身も蓋もなく、どうしようもない話かもしれませんがやはり首都圏であることが正義になってきます。「地元の友達しかフォローしてない!」とかなら大丈夫かもしれませんが、正直仲のいいフォロワーとはいえ例えばいきなり北海道に行くというのは相当覚悟が必要になってきます。
③連絡先
古のツイッターに身を置いていた方ならご存知かと思いますが、「〇〇の親族です。△△は事故により急逝しました〜」系のネタツイが一時期流行ったせいでその類のツイートをしても疑われることがあります。
実際、今回の事例でも「本当に死んだのか?」と疑われていました。
その際、連絡先として自分のアカウント宛にDMを送るようにお願いしました。
最初は連絡用にアカウントを作成しようかとも考えたのですが、ネタツイのせいでますます信頼性が無くなると考え、やむなく9年使ってる自分のメインアカウントを使用、信頼性を持たせることにしました。
また、故人のアカウントをそのまま使うことも考えなくもなかったですが「本当に死んだのか半信半疑」「正直よく分からん輩が連絡してくる」可能性を考え、一種のハードルを設けたかったために私のアカウントを連絡先にしました。
④対応策を練ること
今回見知らぬ人が来れる形を取ったとはいえ、故人のアカウントで挨拶に来れる旨を伝えると不特定多数の人間が大勢来ることにより、処理が滞ったり問題が発生しかねないと考えられました。(今回はツイッター関連の処理は私1人に一任されていたため、限界がありました。)
そこで、私のDMに直接「挨拶に向かいたい」「葬儀に出席したい」という事を連絡してくれた方のみに挨拶に来れる旨を伝え、また場所を直接言うのではなく駅に私が出迎えに行く形を取りました。
今回の事例ですと弟は鍵垢、フォロー数も3桁前半とそこまで規模が大きくはなかったのが幸いでした。これがもっと大規模なアカウントになると指数関数的に処理が大変になると予想されるので、「フォロワーに葬式に来て欲しい!」と考えている方は対応策を練っておくことをオススメします。
4.まとめ
〜フォロワーに死を伝えるために必要〜
①携帯の暗証番号(orツイッターの暗証番号)
②SNS慣れしている親族
〜フォロワーに葬式に来てもらうために必要〜
③喪主の理解
④立地
⑤連絡先
⑥対応策を練ること
パッと必要そうだなとこの期間に考えられたのがこのくらいでもしかしたらまだあるかもしれません。
今回の事例は珍しくうまく行ったと思っていて、正直自分自身が死んだ時はおそらく伝えることすら無理なんじゃないかなーと感じています。(SNS慣れしている親族がいないため)
この記事をここまで読んでくれた方でもしも「それでもフォロワーに葬式に来て欲しいです」という方がいらっしゃったら上記の条件について今のうちに考えて、どこか分かるところに書いておくことが重要だと思います。あと、SNS慣れしている親族がいるなら仲良く大事にしてあげてください。
こういうビジネスがあってもいいのかなーとは思いましたが、手続きや親族の関係上難しいのだろうなとも感じました。
最後になりましたが、親愛なる弟へ
俺は正直お前の望みを叶えるべく働いたし、うまくやったと思う。だから今回の記事は長文オタクの兄に働かせてしまった代償だと思って諦めてくれ。安らかに眠れよ。
ろくでなしのツイッター歴9年の兄より