天気の子はジュブナイルストーリー

中学時代に授業で「秒速5センチメートル」の1話のみを見せられ、そこから闇にはまっていきました。どうも、新海誠のにわかオタクです。実は秒速と言の葉の庭と君の名はしかみてない僕です。(確か宇宙とのメールの距離のやつは漫画読んだけど)


そんな僕が今回の映画について感想という名の怪文書を作成する記事です。ネタバレなしなら迷ったら行け、見に行った方がいい。


さて、天気の子の感想ブログですが当然ネタバレありありです。まだ見てない人は回れ右。










前回君の名は。の時はかなり期待して行っただけにその時は少し違いに戸惑ったりあまり感情移入できないものでした。

https://privatter.net/p/1802055

↑当時の感想


今回は君の名は。の後だし布陣がRADだし、また万人受けする感じになるんかなぁ…みたいに思う一方ツイッターの感想ではなかなかの評判な雰囲気を感じて仕事終わりに劇場に向かいました。


まずやっぱりこいつ絵が上手いんやなって思いました。今まで精緻な描写がリアリティを生み出していたんだけど、光と水の描写特に太陽と花火の描写が本当に綺麗で思わず声が出そうになりました。対比というか、色の使い方が上手いのかな。まぁデザイン素人なのでよくわかりませんが。


で、前々から思ってたけど。


新海誠、俺と女の趣味が一緒。


本当なつみさん好き。今回のヒロインのひなさんももちろん好き。


主人公穂高くんが家出をするところから今回の物語は始まります。そこで拾われる妙なおっさんの怪しげな事務所の雰囲気正直好みでした。ああいうゆるふわアウトローみたいなのすごいいいよね。


で、ヒロインとの邂逅。ちょこちょこは出てたけど物語にガッツリ絡んで来るのは思ったより遅かったかなとも思ってました。いやまぁ後半濃密すぎて何も言うことないけど。


んで、凪先輩と3人で始める天気屋。まぁあそこらへんは完全に落とすための上げですねこれは…みたいな楽しみ方(邪悪)。でも前作と違ってこういう経験の交流があったら、そりゃ好きにもなるなぁって自然と感情移入できたのでやっぱり不可欠なパートだったと思います。


指輪、逃走。ここら辺はほんともう少年少女…少年少女…マジで大人との違いを感じ、それすらも大人になった身からすると違うんだよとも言いたくて、でも昔そうだったよなぁってなってしまって。


ホテルで3人泊まれたシーンマジで良かった。僕自身もそうですしみなさんもあるかと思いますが、「こんな時間が永遠に続けばいいのに」っていうもちろん本人たちですら続かないことは分かっていて、それでも願わずにはいられなくて。ああいう描写ができるのは素直に脱帽。


そのあとの「ひなさんを見てる」でかなり主人公好きになれました。16歳男子だもんなーガキだよなーって男だから分かってしまって、でもああいう時にすっとああいう言葉が出るのはいいやつなんだなと感じさせてくれる。


そこからの主人公のムーブ、いや傍目から見ても「狂人か?」とはなるけど一方でそれを突き動かす思いとか、それに引っ張られらように行動しちゃう大人とかまさにエンターテイメント!という他ない。


そしてエピローグ、少し影を落としていて、それでも物語は綺麗に終わって、最後の「大丈夫」。




ほかの補佐的な話を付け加えると前回と比べてRAD抑えめ(作曲はRADだけどボーカル違うとか)でバランスも良く感じた。素直にCDとかサントラ買いたいとか思わせられるレベル。


総評としては「新海誠お前エンタメ書いても天才だったのか」


私自身少年マンガが結構好きで、そういう人なら間違いなく見に行って損はない、一流のエンターテイメントでした。ナイスジュブナイル


君の名は。で挑戦したSF(まぁ前作でも結構あるけど)、音楽、エンタメ要素がかなり自分のものにしている、チューニングされてて、「これが新海誠の書くエンターテイメント」としてかなり高い仕上がり見せたと思ってます。個人的に前作で感じてた「リアルとの乖離による感情移入のしにくさ」がかなり昔あった現実的な描写に寄り添う形になって改善されていてそこが自分としてはかなりポイント高い。


あとまぁ前作の登場人物ゲストとか、「大丈夫」は秒速の古傷が痛んだりしてそこも憎い要素。


見ててすごく面白いなぁと素直に感じさせてくれて心動いたので、現時点では最高傑作認定です。また見たいけど今度は誰かと行きたいなぁ。